最低王子と恋の渦
「なかなか待ったよ」
「え?待ったって何が?」
「田中さんと両想いになれるまで」
その三鷹くんの言葉に、私はうっと頬を赤くする。
…三鷹くんが私のこと好きって考えるだけでいちいちドキドキするんですけど。
あの三鷹くんがだよ?
こんな私を…。
…かなり嬉しい。
「ていうか、三鷹くんは私のどこを好きになったの…?」
「さあ、具体的には分からないけど」
「さあって…何それ」
自分の頬がまだ熱いのを感じつつ、もーっと笑ってみせると
三鷹くんは一瞬目を見開いた。
「…?三鷹く、」
三鷹くん?と言いかけた私の言葉は
三鷹くんの重ねてきた唇によって遮られてしまった。