最低王子と恋の渦
付き合うって
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『付き合うことになりましたぁ!?』
電話の向こうでそんな驚きの声を上げるのは菜々。
私は自分の部屋のベッドの上でクッションを抱えて座っている。
「付き合うことに…なりました」
『二度も言わんでいい』
「あはは…」
『告白されたの?』
「…うん。一緒に帰ってたら、突然…」
〝好きなんだけど〟
そう思い出して私はまたかああっと顔が赤くなるのを感じた。
し、幸せってこういうことかぁ。
『ふーん、なんか三鷹くんらしいね』
「え、そうなの?」
『適当』
なんだそれ。
…まあでも、なんだかんだずっと菜々は私と三鷹くんがくっつけばいいって言ってくれてたよね。
正直、菜々にはほんとに感謝してる。
…照れ臭くて今更言い辛いけど。
『てかどうするの。あんたらちょうど今日付き合ってないって噂否定してきて翌日に実は付き合うことになりましたって、大騒ぎだよ』
「そ、そうなんだよね…」
『まあ三鷹くんが相手だし隠そうとしても隠しきれないだろうね。聞かれたら言うくらいでいいんじゃない』
「分かった…」
こういう、菜々のアドバイスはたまにほんとに助かる。
うざいとこ多いけど、私の話聞いてくれるし、相談に乗ってくれるし、良い奴なんだよね…。