最低王子と恋の渦
そして翌日。
「おはよう田中さん」
キラキラと後光がさして見える私の彼氏様の微笑みに、私は思わずよろけそうになった。
朝っぱらから愛しい。
「…おはよう」
「いつにも増して暗いけどどうしたの?」
「…いつも暗くて悪かったですね!」
思わずそう返してしまって私はハッとした。
こ、ここは彼女らしく「やだぁ〜三鷹くんのいじわる〜」って可愛らしく言うべきだったのか…!?
いやでもそんな姿を三鷹くんに見せること自体嫌すぎる。
…彼女になっても私は変われないのか。
ていうか、三鷹くんも付き合ったのにいつも通り過ぎない…?
「田中さん、今日一緒にお昼ご飯食べようか」
「…えっ!?」
慌てて三鷹くんの顔を見ると、彼はいつものニッコリスマイルをこちらに向けていた。
きゅーんと心臓が締め付けられる。
「あ、でも菜々が…」
「澤村さんも誘ってだよ。俺パンだから食堂にしない?」
「…わ、分かった!」
私が目を光らせて賛同すると、三鷹くんはフッと微笑んだ。
まさか三鷹くんからお誘いがあるなんて。
…やっぱり、私達付き合ってるんだ…!