最低王子と恋の渦




「田中さんには華ってものがないよね」


「…ねぇ、いつまで貶すつもり?」


「田中さんが絶世の美女になるまで」






やめる気ないだろそれ!?



私は大きく溜め息を漏らして、隣で優雅に肘を付いてニンマリと見下してくる三鷹くんを睨んだ。




この王子様の性格はひどく歪んでいる。



皆からは“毒舌”なんてマシな言い方されてるけど、




私からしてみればただの最低野郎だ。


デリカシーとかそんなこと言ってる暇ないくらい。

クズでゲスでカスのゴミ王子である。




「君って本当に性格悪いよね。さすがにひどいよそれは」


「だってほんとのことじゃん」


「そんなんだから好きな人にもフラれるんだよ」


「っな!?」




何もう!!!!

ほんっとに最低!!



私はギャーギャーと喚いて三鷹くんの背中を叩く。




そう。


二ヶ月くらい前に、私は好きだった人に告白したのです。


敢なくその告白は謝罪の拒否言葉によって打ち砕かれましたが。



今更になってもその傷をえぐり返してくるこのクズ王子は本物の最低野郎だ。



てかなんでこんな奴が好かれてるのかが理解できない。




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