最低王子と恋の渦









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目が覚めると目と鼻の先に友也の顔があって。



ああ、私はあのまま寝ちゃってたのかぁ。なんて一瞬呑気なことを考えていた。


そして次第に頭は機能し出し、私は目を見開いて固まる。





と、








ガララッ。









教室のドアが開かれ、友也はハッとして私から顔を離してドアの方へ目を向ける。




そこには今一番いて欲しくなかった人がいた。








「…………は?」








その時点で、私の心臓はバクバクと大きく暴れていた。





私と三鷹くんは昨日付き合い出したにも関わらず、




翌日に破局の危機を迎えているわけです。









「…み、三鷹…ほんとにごめんっ!美乃もごめん!!」







友也はそう言って飛び出すように教室を出て行ってしまった。


取り残された私と三鷹くんの間には嫌な沈黙が流れる。



……三鷹くん、怒ってる…よね。

やばい、三鷹くんの顔見れない。





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