最低王子と恋の渦
* * *
目が覚めると目と鼻の先に友也の顔があって。
ああ、私はあのまま寝ちゃってたのかぁ。なんて一瞬呑気なことを考えていた。
そして次第に頭は機能し出し、私は目を見開いて固まる。
と、
ガララッ。
教室のドアが開かれ、友也はハッとして私から顔を離してドアの方へ目を向ける。
そこには今一番いて欲しくなかった人がいた。
「…………は?」
その時点で、私の心臓はバクバクと大きく暴れていた。
私と三鷹くんは昨日付き合い出したにも関わらず、
翌日に破局の危機を迎えているわけです。
「…み、三鷹…ほんとにごめんっ!美乃もごめん!!」
友也はそう言って飛び出すように教室を出て行ってしまった。
取り残された私と三鷹くんの間には嫌な沈黙が流れる。
……三鷹くん、怒ってる…よね。
やばい、三鷹くんの顔見れない。