最低王子と恋の渦
「ほら、日誌出して早く帰ろう」
「…あ、うんっ」
私から離れて机に置いていた日誌を取ると、三鷹くんは教室のドアの方まで歩いて行った。
私も鞄を持ち、三鷹くんの後を追う。
…付合うって、実際どうすればいいのか分からないけど。
ずっと一緒にいたいっていうこの気持ちを大事にしていこうと思う。
三鷹くんを傷付けないように、私なりに。
「…あ」
「何、田中さん」
「私、三鷹くんのこと飽きたりしないからねっ」
私がそう伝えると、三鷹くんは一瞬目を見開いて。
そして、優しく微笑んでくれた。