最低王子と恋の渦
そうして制服着た私は保健室から出た。
外では窓際に三鷹くんがもたれ掛かって立っている。
「帰るんだね」
「うん。早く帰ってお風呂入りたいし」
私は三鷹くんの手元に視線を下ろした。
三鷹くんの鞄と…もう一つは、私の鞄?
「あ、三鷹くん私の鞄も持って来てくれてたんだ」
「…うん、まぁね」
「ありがとう!」
そう私は三鷹くんから笑顔で鞄を受け取る。
三鷹くんは「どういたしまして」とニッコリ微笑んだ。
…こういうやり取りなら本当に王子様っぽいけどね。
「あらあらもう帰るのね。ごめんなさいね、三鷹くんに任せちゃって。じゃあ気を付けて帰るのよ」
慌ただしく来た保健室の先生はそう私達を見送ると、またどこかへパタパタと急いで行った。
…先生って大変なんだな。
ふと、三鷹くんの視線に私は気付く。
「…ん?」
「家まで送ってあげるよ」
………………え!?