最低王子と恋の渦
かっこいいところ
* * *
「川平さんってクラスで一番可愛いよな〜」
優太の席にもたれ掛かりながら、優太の友達の佐藤はそう呟く。
その発言に優太は顔を上げた。
「珠妃ちゃん…?」
「そーそー。でも女子がいつも一緒にいるから近寄り辛いんだよな」
「……」
大きく溜息をつく佐藤から視線を外し、向こうの席で女子達と楽しそうに話す珠妃へ優太は目を向けた。
…珠妃ちゃん可愛いもんね…。
モテるんだ…。
そう思いながら、優太は肩肘をつく。
「いいよなぁ、お前は幼馴染だから」
「…佐藤は珠妃ちゃんと話したいの…?」
「うーん、そりゃ話したいけど。まあ川平さんには優太がいるからなぁ」
「…俺?」
「お前川平さんのこと好きなんだろ?」
「……」
「……あれ、違った?」
黙り込む優太の顔を佐藤は覗き込んで、首を傾げる。
…そっか。
姉ちゃんが言ってた〝告白〟って、そういうことか…。
俺、珠妃ちゃんのこと好きなんだ。