最低王子と恋の渦
*クロームオレンジ
妬けちゃうくらい
* * *
「――諦めれない、ねぇ。
まあそれは確実に美乃が好きってことだろうね〜」
「……ま、まじですか…」
午前授業の休み時間、私と菜々はいつものように教室で話していた。
和久井くんのことを菜々に話してみたら、なんとなく複雑な答えが返ってきたわけで…。
「いやぁモテ期ですね美乃さん」
「……あはは…」
「和久井くんて川平くんと似てるもんねー。やっぱり似た者同士、好きになるタイプも一緒なのかな」
「だからもうその二人は比べないでって…」
目の前でニヤニヤする菜々に私は大きく溜息を吐きながら俯く。
…それにしても、まさか和久井くんが私のこと好きになるなんて…。
だって今まで、そんな素振り一つも見せてなかったし…。
しかも和久井くんは彼氏様である三鷹くんに宣戦布告みたいなこと言ってたし…!
……ど、どうしよう。