最低王子と恋の渦
「とりあえず和久井くんにはあんまり近付かない方がいいんじゃない?」
菜々の言葉に、私は小さく頷く。
「…うん。これ以上三鷹くんに心配掛けさせれないし…」
「自分が無防備過ぎたって自覚した?」
「……はい」
ならばよろしい、と菜々は私の肩をポンと叩く。
三鷹くんにも注意されたばっかりなのに…。
こんなんじゃ…三鷹くんにほんとに呆れられてしまう。
ちゃんと自分が三鷹秀吉の女であると自覚するんだ…っ!
「三鷹くんも今かなりきてるだろうな〜」
「…え?何が?」
「さあね〜。本人に聞いてみれば?」
そんな意味不明な菜々に首を傾げつつ、私は眉間にシワを寄せた。