最低王子と恋の渦
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「それはもうかなり限界にきてるね」
ドドンと威圧感を放つその三鷹くんの真顔に、私はうっとたじろぐ。
そして三鷹くんはニッコリと不気味に微笑んだ。
「晴れて付き合い出したと思ったら川平とか和久井みたいな犬がちょっかい出してくるし、相変わらず女子からは呼び出され続けてるし、もう精神的にも肉体的にも限界がきてるよ」
「そ、それはそれは…」
なんと申したら良いか…。
あとその笑顔が怖くてたまらないです。
「…その、色々とごめんね三鷹くん…」
「田中さんが全部悪いわけじゃないけど…、まあ田中さんのせいで俺の苦労が増えてるのは事実だしね」
「も、申し訳ございません…」
「うん。反省してるなら少し俺のお願い聞いてくれない?」
「…え?」
お、お願い…?
何?お願いって…。
すると三鷹くんはゆっくりと柵に寄り掛かったまま私の顔を覗き込んだ。
今この屋上には私と三鷹くん以外誰もいない。
…のに、三鷹くんがこんなに近くにいるってだけで顔が爆発しそうなくらい恥ずかしい。