最低王子と恋の渦
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「…んぁ」
目を覚ますと、ぼやけた部屋が視界に広がった。
朝よりは頭痛がマシになってる…。
時間を確認すると、時計は15時を指していた。
うわ…いくらなんでも寝過ぎでしょ私。
「……下降りよ…」
私は小さくそう呟いて、一階へ降りるべくベッドから降りる。
よたよたとした足取りでなんとか階段を下りると、家には誰もいなかった。
リビングのテーブルには、お母さんの書き置きが一枚ある。
〈冷蔵庫にリンゴ剥いてあるから食べてね〉
リンゴ…。
ぐうと鳴り出すお腹に、私は少し恥ずかしくなった。
食べ物の名前聞いてすぐお腹鳴るなんて…。
まあ今日何も食べてないしね。
そして私は冷蔵庫から切られたリンゴを取り出した。
と、その時。
――ピンポーン
家のインターフォンが突然鳴り出す。
え…こんな時に来客…?
私はよろよろとしながら玄関へ向かった。