最低王子と恋の渦
「美乃ー!」
ふと、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
私はその声の主が誰だか気付きながらそちらへ顔を向ける。
「どしたの友也」
「今日うちで晩ご飯食べてけよ! 母さんが美乃呼べって言うからさ」
幼馴染である川平友也は、家が向かい同士で。
よくお互いの家にお邪魔してご飯を食べたりおすそ分けし合ったりしている。
友也はとても明るい性格で、いわゆるわんぱく少年だ。
どこぞの王子とは正反対の優しさが彼にはある。
「ほんと? じゃあそのまま寄るね!」
「おう!」
ニッコリと微笑む友也は正に純粋そのものだ。
と、そんな友也を見上げる三鷹くんが目に入った。