最低王子と恋の渦
私達がいつものように言い合っていると、友也がハッとして私を見た。
「そういえば美乃、もう熱は大丈夫なのか!?」
「ああ、うん。37度ぐらいまで下がった」
「俺のおかげで」
「そっかぁなら良かった! あ、急いで来たから何も買って来てないけど、欲しい物とかない?」
「うん、大丈夫。リンゴもお粥も食べたし!」
「俺のおかげで」
私はじろりと三鷹くんを見つめる。
三鷹くんはいつものようにニッコリと微笑んでいた。
…はいそうですよ!
その通り、全て三鷹くんのおかげですよ!
ありがとうございますー!
「ただいまー」
と、そこで優太が帰って来た。
「あ、優太おかえり」
「ただいま姉ちゃん。なんで友也兄と三鷹さんがいるの?」
リビングに来た優太はカバンをドサッと置きながら言った。
三鷹くんは「お邪魔してます」と言い、友也はあははと笑う。
「美乃のお見舞い。でももう大丈夫そうだな!」
「へえ。三鷹さんもお見舞い?」
「うんそうだよ。川平が来るまでは二人っきりであんなことやこんなことしてたんだよ」
「わあ、三鷹さんやり手」
「いやいや待って!? お粥作ってくれただけだから!!」
「だけって何。失礼だね」
「そういう事じゃなくって!!」
ああもう!!
変な冗談で話をややこしくしないで!?
友也は「三鷹そういうのやめてよー」と笑いながら三鷹くんの肩を叩いている。