最低王子と恋の渦
「それじゃあ、お邪魔しました」
三鷹くんはテキパキと荷物をまとめると、そうニッコリと挨拶をした。
早いな。
「うん、また明日ね」
「またなー!」
「さようなら」
私と友也と優太の言葉を聞くと、三鷹くんは我が家を後にして行った。
すると、友也はうーんと伸びをしながら私の向かいの椅子へ腰を下ろす。
…あれ。
そういえば。
なんで友也は私に言ってくれなかったんだろう。
珠妃ちゃんの為にバイトしてること。
「ねえ友也」
「うん?」
「なんで私にはそのバイトのこと教えてくれなかったの?」
私がそう尋ねると、友也は「しまった」と言わんばかりの表情を浮かべた。