最低王子と恋の渦
「何してんの変態さん」
ギクッ。
頭上から突然聞こえた声に、私は肩を跳ねさせた。
「み、三鷹くん」
「2組なんか覗いて何してたの?」
「えっ、いや、…と、友達に会いに来たんだけどいなくてさー」
「ふーん、もう授業始まるよ」
「うそ!?!?もうそんな時間!?」
「大袈裟すぎ」
クスッと笑った三鷹くんを見て、私はホッと溜息をついた。
良かった…気付かれてない。
「よし、ごめんごめん!えーと、次なんだっけ、古典だっけ?」
「……」
…ん?
なかなか返答がない。
私は不思議に思いつつ、真横に立つ三鷹くんを見上げた。
「……!」
三鷹くんは2組の教室内の方をじっと見つめていた。
その視線の先を、まさかまさかと思いながら辿っていく。
そして案の定、その視線の先には西垣さんがいた。
「…あ、何?なんか言った?」
ハッと我に返ったように私を見下ろす三鷹くん。
…やっぱり、私の読みは当たってたんだ。
ほんとのほんとに…三鷹くんは西垣さんが好きなんだ!
大スクープ!!