最低王子と恋の渦
――「へぇ」
その大スクープを早速菜々に話してみたところ、こんな冷めた反応が返ってきた。
菜々ならもっと反応すると思ったのに!
「確かに一理あるね。でも私、三鷹くんと西垣さんが話してるところなんて見たことないよ」
「…えっ、それは私もだよ!」
菜々が気になるところはそこなんだ!?
一度も話したことないけど好きになるって可能性もあるじゃん!
「うーん、やっぱり私は三鷹くんの好きな人って美乃な気がするけどねー」
「ま、まだ言ってる…。だからそれは絶対にないって!」
そもそもどう考えたら三鷹くんが私のこと好きだと思えるの!?
あの人ブス嫌いなんだよ!?
私散々ブスって言われ続けてるのに!
「…まあそれでも、美乃が三鷹くんのこと好きじゃないなら意味ないもんね」
ちぇーと唇を尖らせる菜々。
そうですとも。
だからそんなことは一切ないんですよ。
「じゃあもっと物事が大きく動いたら言ってね。私そうならなきゃ興味湧かない」
ニッと笑う菜々を見て、私はイラッとしつつ睨んだ。
なんだこいつ。
つくづく話し甲斐がない。