最低王子と恋の渦
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うーん。
よく考えてみれば、なんで私はこんなに三鷹くんの好きな人について調べようとしてるんだろう。
そりゃ一応、応援はしてるけどさ。
私にはほぼ無関係じゃん。
…このくらいにしとこう。
私はそう心に決め、ふぅと大きく息を吐いた。
と、一人で渡り廊下を歩いていると、
「…三鷹くんってさ、田中さんと付き合ってるの?」
渡り廊下の近くからそんな話し声が聞こえる。
私がハッとして辺りを見回すと、渡り廊下の側で何やら数人の人影が見えた。
なぜか咄嗟にその場にしゃがみ込んだ私は、渡り廊下に隠れて彼らに気付かれないよう息を潜める。
…あれ、なんで隠れちゃったんだろう。
「……」
そろりと渡り廊下の陰からその様子を見てみると、
なんとそこには三鷹くんと西垣さん達がいた。
い、いきなりの展開…。
「そう見えるの?」
「…え?」
ニッコリといつもの笑顔を西垣さんの友達である相田優花さんに向ける三鷹くん。
まさか三人が私のことを話してるなんて…。
「俺と田中さんって、皆から見て付き合ってるように見えるの?」
三鷹くんの質問に、彼女達は目を合わせた。
ていうか…
質問を質問で返すなよ!