最低王子と恋の渦






「皆はどうか知らないけど、少なくとも何人かは思ってると思うよ」


「…へえ」




相田さんの言葉に、三鷹くんは笑顔のままで頷いた。



…なんでそんなこと聞いたのかなんて、今更三鷹くんの考えてることなんて分かるわけがない。





「付き合ってないよ」




三鷹くんはいつも通りの様子でそれを言う。



思ったけど、

好きな人である西垣さんに私と三鷹くんが付き合ってると思われてたなんてすごく申し訳ない…。


まあ誤解は今解けたからいいけど。




「なーんだ、ただの噂だったんだ」


「そんなありもしない噂を流してるクソがいたら訂正しといてくれるとありがたいかな」


「相変わらず毒舌(笑) まあ訂正しとくよ」




そう言って笑う相田さん。

その後ろに立っている肝心の西垣さんは全く喋らない様子。



…まあ大人しい子だし、話し掛けられないと喋ることもないか。





< 66 / 347 >

この作品をシェア

pagetop