最低王子と恋の渦
「川平目腐ってんじゃないの?」
真剣な面持ちで言う三鷹くんを私はバシッと叩いた。
「ったく、ほんと三鷹は美乃のこといじるよなー」
ハアと大きく溜息をついた友也は、チラリと三鷹くんを見た。
三鷹くんは「は?」とでも言うような表情で友也を見上げる。
「いじってるんじゃなくていじめてるんだよ」
「いやそんな堂々といじめ発言しないで」
ほんとにこの人はいつまで私を貶したら気が済むんだろう。
そろそろ泣くぞ。
「でもぶっちゃけそんなに仲良くなってるの見たら妬けるなー」
少し口を尖らせて言った友也を私と三鷹くんは揃って見た。
え?
妬ける?
「……ん?」
「でも俺のが美乃と仲良いもんな!」
「…ねぇ川平、それって田中さんのこと好きってこと?」
ド直球に聞きやがった三鷹くんの言葉に、友也は「えっ」と少し顔を赤くさせた。
もうその表情で明らかである。
「……う、うん…まぁ。ずっと前から…」
第一章にしていきなりの急展開。