最低王子と恋の渦
「…田中さんってなんか普通じゃないよね」
と、三鷹くんは不意に言い出す。
いきなり何よ。
「それを言うなら三鷹くんも普通じゃないよ」
「なんかクズというか素直というか人間らしいというか」
「え待ってそれ貶してるよね」
「こんなに言い返してくるのも田中さんだけだよ」
「ごめんなさいね、ひねくれてて」
なぜか三鷹くんは小さく笑っている。
なんで笑ってるの…?
なんかおかしかったかな。
「田中さんってあんまりモテないでしょ」
「…なっ!? し、失礼な! モテないけど!」
「やっぱり」
なんでこうもこの人は私を責めてくるの!?
ていうか今私気になってる人いるのにそれは辛いよ!
「これからもクラスメイトとしてよろしくね」
そう言ってニッコリと微笑む彼は、一体何を考えてるのか。
「…わ、私としてはあんまりよろしくしたくないんだけどなぁ…」
「うわ君こそ失礼だね。そこは思ってても黙っとけよ」
「う…」
そんなこんなで。
私は三鷹くんに貶され弄ばれる日々が始まったのでした。
…まあ今としては三鷹くんと友達になれてるわけだけど。
ひとまずそれで今は楽しいから、いいか。