最低王子と恋の渦
なんで聞いちゃったんだろ…。
自分ってほんと馬鹿…。
なんて自分を責めていると、優太の「んー」といういつものトーンの声が聞こえた。
「…俺、珠妃ちゃんしか女の子分かんないし」
そんな優太の言葉に、珠妃は目をパチクリさせた。
そしてパッと優太を振り向く。
「…え?」
「珠妃ちゃんにしか興味湧かない」
「……なっ、何言ってるの!?」
かああっと顔を赤く染めた珠妃はまた机に向き直った。
……優太の馬鹿っ。
何それ…!
ブンブンと頭を振る珠妃をじーっと見上げる優太は、少し首を傾げた。