最低王子と恋の渦
そしてゴロンとベッドに寝転がる優太。
ふあぁと大きな欠伸を一つして、また珠妃を見つめた。
…珠妃ちゃんが漫画描いてるとこ見るの好きだなー。
――そしてしばらくそのまま作業をしていた珠妃は、ふと時計を見る。
時計は15時30分を示していた。
「優太、ケーキあるけど食べ…」
そう言いながら優太を振り返ると、優太は珠妃のベッドで気持ち良さそうに寝息を立てていた。
…優太また寝てるし。
なんて溜息を漏らしつつ、珠妃は椅子から立ってベッドの横に膝をついた。
「優太」
ツンとおでこを指で突くが、一向に優太が起きる様子はない。
優太の顔立ちは整っていて、どちらかと言えば可愛い部類に入る。
そんな優太がサッカーなんてしていたら、見ている女子は気付けば惚れてしまっているわけだ。
それは珠妃にとって面白くないらしい。
じーっと優太の寝顔を見つめる珠妃。
「…置いてかないでね…」
と、
パチッと優太はそこで目を開けた。