最低王子と恋の渦
ぎょっと目を見開く珠妃は、バッと優太から離れた。
「えっ、お…起きてたの!?」
「……『優太』で起きた…」
「……」
ぼやぁっとした寝ぼけ眼で珠妃を見つめる優太から、珠妃は慌てて目を逸らした。
「…ねぇ珠妃ちゃん」
「…うん…」
「俺、珠妃ちゃん置いてったりしないよ」
「……うん…」
分かってたんだ。
優太はいつだって珠妃の事待っててくれる。
珠妃がどんな事したって、絶対見放したりしない事も分かってる。
でもね、優太。
どうしても不安になっちゃうの…。
珠妃…優太みたいになれないの。
「というより、俺の方が珠妃ちゃんに置いていかれそう」
「えっ、そうなの?」
「うん」
優太も珠妃と一緒の事考えてたんだ…。
なんて思いながら、珠妃はクスリと笑った。
そんな珠妃を見て、優太も少し顔を緩ませた。
…珠妃ちゃんの笑顔可愛い。
すると、そこで友也が帰ってきた。