最低王子と恋の渦






   *   *   *




「お邪魔しまーす」




そう言いながら私は川平家に上がらせてもらった。



偶然バイト終わりの友也と会った私は、特に用事もないけど家にお邪魔することにしたのだ。


これは私達の間ではよくあること。




「あ、美乃ちゃんも来たんだ!」




二階から降りて来た珠妃ちゃんは私を見るなりパアッと笑顔を見せた。


その後ろからひょいと優太も顔を出す。




…優太も来てたのね。


ほんと珠妃ちゃん好きだなー優太。




「あ、お兄ちゃん。冷蔵庫にケーキあるから皆で食べよ」


「おー、そうするか」




そう言いながら珠妃ちゃんと友也はキッチンの方へ向かって行った。





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