悪魔の罠にご用心!?
「おはよう!待たせてごめんね!」
「・・・もう慣れた」
呆れ顔の幼なじみに挨拶をすると、なんとも素っ気ない返事が返ってくる。
「ろ、廊下が長くて!」
「だいたい、お前の家は広すぎだ!一人暮らしするならこの家じゃなくても・・・」
綾香の家は時代劇に出てくるような日本家屋で、その敷地は無駄に広い。
昔はそれなりの名家で、陰陽師のようなこともやっていたらしく、蔵には怪しげな物がたくさん残っている。
「いいの!私、この家好きだから・・・それに・・・」
「ーー!っそれより、早くしないと遅刻しちゃうよ!」
「・・・ったく・・・誰のせいだと思って・・・」
「ほーら、置いてくよ!」
「俺のセリフだっつの!」
そんな話をしつつ、走って学校へと向かう。
いつもと変わらない朝だった。