続♡プリンセス☆ロード
第8話 『お前は、なにもしてない。なにも、なかったんだ』
「このままじゃ、紗南の身体が持たない」
リュウは、深刻な表情で言った。
そんなことは、誰しもがわかっていた。
それでも、どうすることもできないまま今日に至る。
「人魔の居場所が掴めない」
「…身を潜めることに慣れてるっつーか長けてるんだろうな」
長い間、人にも悪魔にも気づかれず息をひそめていた。
それは、容易いことではないだろう。
「紗南ちゃんの催眠、どうにかなんないのか?」
「催眠は、そう長く続くものではないはずです。ですから、その効果が切れさえすれば…」
「それって、いつなんだよ」
切れる前に紗南の精神が壊れてしまう。
その前に…。
「紗南が苦しんでいるのに、なにもできねぇなんて…」
「リュウ。それは、俺らだって同じ気持ちだよ!」
もどかしい。
なにもできない自分。
「どうにかして、人魔の目的と居場所を調べよう」
「ああ」
「リュウ、しばらく紗南の事頼めるか?」
「もちろん。任せとけ」
それぞれの決意を確かに、夜は更けていく。