続♡プリンセス☆ロード
それでも、レンはいらないという。
「レンさまは、堅苦しいことを嫌いますから。だからこそ、身分を隠して一番隊に入り、下の者と同じように働き、おそらく王子相手にはとても失礼な発言なども一つも嫌な顔せずに受け入れ、時には同じように言葉を交わしながら生きて来たんじゃないでしょうか」
「…うん」
「ですから、いいんだと思いますよ。少しくらいハチャメチャな紗南さんの方が、紗南さんらしくていいです」
「…そっか」
私らしく。
確かに、マナーだ、なんだと気にしていたら、きっとそこにしか頭がいかない。
そうなったら、私らしくなんて無理だ。
「そうだよね。うん。わかった。なんか、王妃って肩書ができて、変に力が入ってたみたい」
「はい」
「これで、いいんだよね。私は私らしく。頑張ってみる!」
身分や性別の分け隔てない国を作る。
それが、レンの願いだった。
それができるのは、もともと一般人だった私なのかもしれない。
「ソウシは、ここにいていいの?」
「…はい。そろそろ、あの彼が来るころでしょうから」
「彼?…ああ、そうね」
ソウシの言葉に顔を見合わせ、すぐに誰の事かわかった。
私もずっと会いたかった、彼だ。