続♡プリンセス☆ロード
ナイフを抜く一瞬、レンの顔が苦痛に歪む。
私は泣き叫びながら後ずさる。
「…さ、な!」
「紗南ちゃん!」
もう嫌。
もう、嫌。
こんなの、もう…。
私はテラスの端まで後ずさると、ナイフを自分に向けた。
「紗南!やめろ!」
「やめて!紗南ちゃん!」
これ以上、レンを傷つけてしまうなら。
これ以上、皆を傷つけてしまうなら。
もう、ここで死んでしまった方がまし。
誰かを傷付けてしまうなら、その前に自分が傷ついてしまった方がまし。
「あ―あ、かわいそうなお姫様」
その場を切り裂くような冷たい声。
私は、その声を知っている。
「誰だ、貴様!」
レンが、血が溢れる横腹を押さえながら叫ぶ。