続♡プリンセス☆ロード
後ろから伸びてきた手が私を後ろから抱きしめる。
私は体が震え、振り向けない。
私に恐怖を植え付けた人。
この地獄絵図の、原因を作った張本人。
「じ…ん…」
「名前も憶えてくれてるなんて、嬉しいよ姫」
後ろから回された手で頬を撫でられる。
「紗南から手を離せ!」
「お前が人魔か!今まで紗南ちゃんを苦しめてきた奴!」
リュウとミナトが武器を取り出し構える。
でも、私を人質にとられているから手出しはできない。
そんなこと、仁にだってお見通しだ。
だからこそ、私を人質を取るように私の後ろに現れたのだ。
「ああ、可哀想。血に塗れてしまったね、綺麗な手が…」
「あ…ああ‥‥…」
「でも、とても、美しい」
異常だ。
コワレテイル。
狂ってる。
「どう?愛する者に傷つけられる感想は?愛する者に向けられた刃の感触は」
「胸糞わりぃ」
「くくっ、それは、誰に対する?」
「貴様に決まっているだろう」
レンが、まっすぐ仁を睨みつける。