続♡プリンセス☆ロード
「弱いところに付け込めば、人間なんて簡単に殺せるんだ。身も、心も」
「貴様!」
「悔しい?…まだ、足りないね。もっと悔しがればいい。もっと苦しめばいい」
なにを、そこまでこだわっているのか。
時々垣間見える悲しみは、気のせいではない。
なにを、抱えているんだろうか。
「でも、もう飽きちゃった。今回は、これで引き下がってあげるよ」
そう言った仁は、私を突き飛ばすとそのまま消えた。
私の手から離れたナイフはからからと音を立て滑っていく。
手を伸ばそうとしたけど、そのナイフを先に取ったのはソウシだった。
ソウシは、酷く傷ついた顔をしている。
「ソウシ…?」
「すいません…」
それは、なんに対する懺悔だったんだろうか。
ソウシはそうとだけ告げると、レンに駆け寄った。
「手当を」
「…いい」
「いいって、ダメですよ。血を止めないと」
きっと、私を気にして強がっているレンをソウシが制し手当をする。
止血のため、傷口を抑えつけられると激痛に顔をしかめるレンから、私は目をそらした。
私は、手を見つめる。
レンを刺した感触が残る。
私が、刺したんだ。
レンを、この手で……。