続♡プリンセス☆ロード
第9話 『しばらく、ここにいたらいい』
「レン!!!」
レンがいる救護室へミナトが慌てて駆け込んだ。
レンが王になってさま付で呼んでいたミナトだったが、それ程緊急事態なのだとレンは気づく。
「あ、す、すいません…」
「いい。どうした」
「あの、人魔は結局見つけられなくて…。それは、そうなんだけど…。あの」
「落ち着け、何があった」
「紗南ちゃんの姿が、見つからないんだ…!」
その言葉に、レンは勢いよく立ち上がる。
しかし、傷口に響いて顔を歪めた。
そんなレンを慌てて支えるソウシ。
「レン、落ち着くのは、あなたです」
「すまない…。くそ、…思い詰めていたからな…。気を配ってやるべきだった」
「悪い…。俺がついてるって言ったんだけど、断られて…。それより人魔を追ってって言われて…俺のミスだ」
「いや、リュウのせいじゃない。お前には、十分なくらいしてもらている」
昔のよしみとはいえ、リュウも今は一国の王。
そんなリュウを長いこと引き止め他国の騒動に巻き込んでいると、レン自身深く反省をしていた。
「…お前も、紗南も、いい加減にしろよ。今の立場がどうとか、関係ないんだって。俺は、お前らと今までもこれからも仲間だって思ってっからこうやって一緒に戦いてぇし、悩みてぇんだ。俺は、王である前に、一人の人間だからな」
「リュウ……。そうだな…。俺は、大事なことを忘れていたのかもしれん」
レンは、気づかされた気がした。
紗南がずっと言っていた寂しいの意味。
一人ぼっちだと、思わせていた理由。
それは、変わってしまった自分自身に問題があったんじゃないか。