続♡プリンセス☆ロード
私は、地味な服に着替え、いつもの抜け道から外に出た。
そして、ここでは移動手段になっている馬車に行先を告げ連れて行ってもらう。
馬車に揺れ、いろいろなことを考えた。
今までの事。
何も考えず、ただ必死に生きていた昔の事。
皆といることがただ楽しくて。
辛いことも、悲しいことも、皆といれば乗り越えられた。
レンが王になって、リュウも遠くに行ってしまって。
いろんなことが変わった。
王妃と呼ばれるようになって、皆が私に謙るようになって。
でも、嬉しくなかった。
私は、別に偉くなりたいわけじゃない。
ただ、レンの側にいられたら肩書きなんてどうだってよかった。
皆の態度も、必然的に変わっていって。
それが当然で、私が切り替えないといけないことはわかってた。
でも、割り切れなくて。
思い返す昔の思い出が、キラキラ輝いて見えて。
そんな私の思いが、心を弱くさせたんだろうか。
人魔に、心を操られることになってしまったんだろうか。
「お嬢さん、言われていた場所についたけど、本当にここでいいのかい?」
「あ、ありがとうございます」
「こんなところ…、一人で平気かい?」
「はい」
心配そうなおじさんにお礼を言って運賃を払う。
ここからは、歩いて行かなきゃ。
どこに行こうと悩んだ結果、一番にここが浮かんだ。
歓迎してくれるだろうか、私を受け入れてくれるだろうか。
不安だけど、私は足を進めた。