続♡プリンセス☆ロード


「ロイドのもとに…」

「…そっか…。そうだね、紗南ちゃんならそうするかも」



皆、ホッと肩をなでおろす。
ロイドの元なら安心だ。



「しばらくあっちで休んだ方が、あいつも安心して休めるだろう」

「そうですね…。でも、レンは寂しいんじゃないですか?」

「…誰が」




レンはそう鼻で笑う。
しかし、内心寂しくないわけがなかった。

城に戻れば、紗南がいる生活に慣れてしまっていたのだ。
紗南のためとはいえ、心にぽっかりと穴が開いてしまったよう。




「寂しいときは、寂しいと言わなきゃだめだよ!」

「な、うるさい」

「レンは、愛情表現が下手だからな。オーバーぐらいがちょうどいいんだ」

「お前ら、言わせておけば…」

「なんなら、練習しときます?」

「いい!お前ら、さっさと散れ!」





レンはそういうとソウシたちを追い出す。
ソウシたちはケラケラと笑いながら外に出た。




「ああやって怒れるなら大丈夫だな」

「ええ」

「ほんと、世話が焼ける王様だよ」




廊下に出て、救護室の中を振り返りながら呟く。
今回の件、一番堪えているのはレンだろう。

紗南を守りきれなかったと、自分を責めているに違いない。



< 128 / 310 >

この作品をシェア

pagetop