続♡プリンセス☆ロード
「いまだに、人間への恨みが消えない者も少なくないんだ」
「え……」
「人間の中にも、そういった者がいることは知っている。その中での小さな争いもいまだに起こっている」
「……ウソ…」
「…知らなかったか?」
そんな話は、聞いていない。
まだ、完全には許しあえていないことは聞いたけど、争いがあることまでは…。
「紗南に心配をかけまいと、黙っていたんだな」
「…言ってほしかった」
「紗南、レンの気持ちも少しは考えてやれ。レンは、レンの考えで黙っていたんだと思うぞ」
「…うん」
レンは、優しいから。
そんな争いがあると聞いて、私が傷つくのが嫌だったんだ。
「どうにか、俺もその憎しみ、恨みを拭い去ろうと働きかけてはいるんだがな…やはり、長年の恨みはそう簡単には消えん」
「…当然だよね」
自分たちが、歩み続けてきた歴史がある。
それが間違っていたからと言って、簡単に変えられるものではない。
「ねぇ、ロイド。ロイドは、人魔について、なにか知っている?」
「…昔は、昔と言っても、レンたちは生まれてもない遠い昔だがな、人魔はひっそりと暮らしていた」
「そうなの…?」