続♡プリンセス☆ロード
「あいつらは、悪魔も、人間も死ぬほど嫌いだ。そんな嫌いな奴に化けるなんてことすると思うか?」
「私なら…いやだ」
「だろ?だから、人魔は目の色を変えて人間に化けることはしない」
「そっか…」
人間が、嫌い。
それが、今回の件の理由だろうか。
でももしそうなら、ルネス王国だけを狙う意味が分からない。
国を責め、それを人間への復讐とするということ?
他に、もっと別の理由が…?
「確信がないと言うのは、人の目の色までまじまじと見ないだろ?それも原因なんだ」
「そっか…。目の色なんて、あまり気にしないかも」
「だから、逆を返せば、その原理を利用して普通に街を歩いていることだってあるかもしれない」
「あ…」
「昔ほど、人魔、人魔、と言われなくなった今。それは実現しているかもしれないな」
「そうね、昔なら、皆過敏になっていて、すぐに気づかれていたかもしれない」
「そういうこと」
息をひそめていたのは、こうなる未来を待つため?
ほとぼりが冷め、自分たちがひっそりと生きていく道を作るため。
自分たちが、生き残るために。
「人魔って、可哀想な人たちなのかな…」
「…おきてを破ったのは、その親である悪魔と人間だからな。被害者と言えるかもしれねぇな」
人魔として生まれたくて生まれたわけじゃない。
そんな理不尽な命に、嘆いただろうか。
そして、人間や悪魔を羨み、妬み、恨みに変わり…。
そんな幸せを、奪ってやろうと……。