続♡プリンセス☆ロード
思い出すとやっぱり寂しくて、胸が詰まる想い。
だから、できるだけ思い出さないようにしてきた。
この世界を選んだのは自分なんだから、寂しくなるのはずるいと。
だから、このことはレンにも言えていない。
「美由紀…浩太…元気かな?」
私の背中を押してくれた二人。
私の事を最後まで信じてくれた。
二人は、どんな今を過ごしているんだろう。
恋人は、できただろうか。
大学に進んだのかな?
いつまでも変わらない小さな空間に閉じ込められたその思い出の空間に、つい戻りたくなる。
今が不幸なわけじゃない。
後悔をしているわけじゃない。
だけど、私の大切な場所だったから。
時々戻りたくなるの。
許して。
少しだけ泣いたら、いつもの私に戻るから。
トントン
突然ノックされ、私は慌てる。
涙を拭うのが先か、片づけるのが先かと慌てているうちに、「はいるよー」なんて聞きなれた声がしてその扉は無情にも開かれた。
「あ…」
「え、紗南…ちゃん…?」
振り向いた泣き顔の私を見て、戸惑うミナトがそこにいた。