続♡プリンセス☆ロード
紗南は、少し離れた場所で一人花を眺めていた。
「紗南ちゃん、泣いてた…」
「え…?」
ミナトは耐え切れずそう言った。
本当なら、心配させないためにも言わないほうがよかったのかもしれない。
紗南自身も、それを望んでいたように思う。
だからこそ、ああやって雰囲気を変えようと明るく務めたんだと…。
それでも、一人で抱えきれず漏らしてしまう。
「紗南ちゃんの国から持ってきた荷を見て…泣いてたんだと思う…」
「…そうか」
レンは、そう呟くと考え込むように黙った。
「紗南ちゃんの国って、どんなところ?」
「…紗南の国、か」
「レンは行ったことあるだろ?どんなところ?」
レンは一度紗南と一緒に飛ばされた。
少しだけだが、紗南の国を体験している。
「…俺が見た限りでは、穏やかに時が流れ、争いのないいい国だった」
「そうですよね…。はじめ、悪魔を見た時の紗南さんの怯えようは異常でした。あれは、ああいった危険に遭ったことがない人のモノでしたから」
「銃と言う武器が存在すると言っていたから、多少の争いごとはあるのかもしれんがな…」
それでも、ここよりははるかに安全で生きやすい場所だろう。