続♡プリンセス☆ロード
「ああ、ステラ!」
ステラちゃんをだっこしたままレンと談笑していたら慌てたように駆け寄ってくる人。
きっと、あの人がステラちゃんのお母さんなんだろう。
「ステラちゃんのお母さんですか?」
「はい…。あ!王妃さま!王妃さまに大変ご迷惑を…」
「いえ、迷惑だなんて」
とても恐縮するお母さんに笑って返す。
ステラちゃんはお母さんを見つけるとお母さんに手を伸ばし、私の腕から去って行ってしまった。
少し、寂しい。
「もう、この子ったら…」
「ふふ、かわいいですね」
「少し目を離したすきに…もう、お転婆で…」
「子どもは元気な方がいいですよ」
お母さんとはぐれても、全く泣かなかった。
きっととても強い子ね。
「ママ!ちゃなだよっ」
「ちゃな?」
「ええ、私の名前を教えたんです。紗南ってうまく言えないみたい」
「王妃さまの?まぁ、紗南さまとお呼びしなくては…」
「いいんですよ。こんな子供ですし、私、さま付けあまり慣れていないんです」
「で、ですが…」
お母さんは戸惑っている。
それもそうだよね。
王族からは離れているんだと言っていた。
その人からすれば、王族のしかも他国の王族である私がいくらいいと言えども、そうですかと簡単に言えるはずがないんだ。