続♡プリンセス☆ロード
第12話 『紗南、俺のものになれよ』
「その時の俺、本当にひどかったと思う。簡単に言えば、野生児だね」
ミナトは、吐き捨てるようにそう言った。
悪魔に育てられたミナト。
育て方は、人間と悪魔ではどれほど違うのだろうか。
「俺を育てた悪魔は、ロイドたちがいるような城にいる悪魔じゃなくて。森の中で生活している悪魔だった。人型の、姿は人の形をしている悪魔ではあったけど」
「うん…」
「王様に会った時の俺は、酷く怯えていた。怖かったよ、俺にとっては初めての人間の住む場所で、たぶんその時は、自分が悪魔だと思ってたから」
悪魔を親として生きていれば、自分も同じように悪魔だと信じるのは当然。
人間の大陸に一人で行くのは、どれほど心細かったか。
「警戒心むき出しの俺に、王様は優しく話しかけてくれた。どうしたって、一人なのか?って」
―こんなところでなにしている?ここは人間の大陸と、悪魔の大陸の境。こんなところにお前みたいな子供がいたら悪魔に食われるぞ
―うるさい!俺は、俺は悪魔だ!
ミナトは、何かを懐かしむような表情を見せる。
ミナトの過去。
「王様は、素性の知れない俺を、城に連れて行って保護してくれた。そして、そこで俺を使用人として育ててくれたんだ」
「使用人…?」
私は聞き返す。
騎士ではなくて、使用人?