続♡プリンセス☆ロード



「会いたい?」

「…どうかな?少し、怖い気もする」

「怖い?」

「もし、俺を利用するつもりで、育てただけ、とか聞くの、怖い」

「そっか…」




理由はなんであれ、育ててくれたことに感謝している。
でも、だからこそ、その理由を聞くことはためらわれる。
今のまま知らないままの綺麗な補正された思い出のままの方が、幸せなのかもしれない。



でも、ミナトは会いたいんじゃないだろうか。
わからないけど、そんな風に思う。



「どんな人だったか覚えてないの?」

「んー。まだ小さかったからな。顔まではっきりは覚えてない」

「そっか」


それもそうだよね。



「でも、一つだけ。胸のところに大きな傷跡があった…気がする」

「傷跡?」

「うん。抱っこされた時によく見てたのをぼんやり覚えてるから」



抱っこ…。
ただ利用しようとしていただけの子どもを抱っこしたりするだろうか。
やっぱり、その悪魔はミナトの事多少でも愛情を持ってたんじゃないかな?
推測でしかないけど。


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