続♡プリンセス☆ロード
story4 失われしもの
第15話 『レンらしいや…』
それから、ミナトは暇を見つけてはウィルさんのもとに通っているみたい。
親子の絆を深めていっているんだろう。
ミナトは子どもに戻ったように無邪気に話をしていると、よく付き添いでついて行っているソウシが教えてくれた。
「あ…ソウシ」
暇を持て余し、城の中を歩いていたらソウシの姿を見つけた。
今はレンと一緒じゃないんだ。
誰かと話しているみたい…。
ちょうど柱で死角になって相手が見えないけど、なにか真剣な顔で話をしているのが見える。
「誰と話してるんだろう…」
私は場所をずらし、相手が見える位置に移動する。
ゆっくりと見えてくるその相手。
「え…あれって…」
私、知ってる。
いまだに使用人とか騎士たちの全員の名前とか顔とか知らない私だけど、その人は知っていた。
ユキちゃん。
少し前、知りあった使用人のユキちゃんだ。
なんの話をソウシとしてるんだろう。
使用人であるユキちゃんと、レンの側近であるソウシ。
その二人を繋ぐものって、なんだろう?
「…まぁ、いいか…」
あまり詮索するのもよくないよね。
それに、別に使用人と側近が話したらいけないわけじゃないし。
私はあまり気にしないようにしてその場を去った。