続♡プリンセス☆ロード
「ソウシ、さっき誰かと一緒にいた?」
「え?…いえ…」
「そう?でもさっき、怒鳴り声が聞こえて…」
「さあ、…僕も今ここを通っただけなので…」
ソウシはそう言ってにっこり笑った。
じゃあ、やっぱりソウシとは関係ないのかな?
でも、そうだよね。
口調もソウシとは全然違ったもの。
ソウシはいつだって丁寧な話し方で、滅多に声を荒げたりしない。
じゃあ、誰だったんだろう…。
「じゃあ、誰か人とすれ違ったりした?」
「…人とですか」
「うん。なんか、言い合いしていたみたいなんだけど、少し心配になって」
「さあ、僕はわかりかねますが…」
ソウシは、表情を変えずそう言う。
私は疑問に思いながらも、わかった、と頷いた。
「紗南さん、雨が降りそうです。中へ入りましょう」
「…あ、うん。本当ね」
さっきよりも暗い雲が空を覆っていた。
なぜだか、言いようのない不安が胸を覆う。
何かが、起こりそうな予感……。