続♡プリンセス☆ロード
レンは人ごみをかき分け、その先に出るとそこで見たのはあちこちに散らばる土と花の無残な光景と…。
血まみれでシオンに抱かれた紗南の姿。
「紗南…」
「紗南さん!」
目を疑った。
そうであるなと願っていたことが、現実となり目の前に現れたのだ。
レンは、はじかれるように紗南に駆け寄り、シオンから紗南の身体を奪い取る。
ぐったりとした体、ドクドクと心臓の音に合わせ胸から溢れる血。
頭からも血を流し、危険な状態を示していた。
「紗南!おい、しっかりしろ!」
呼びかけても、答えることのない紗南の瞳は、固く閉じられていた。
「さっきまで、…意識は…あったのに…」
シオンが動揺を隠せない様子でそう言った。
レンはグッと抱きしめる腕に力を込める。
「どうしてだ!どうして、紗南ばかり…!」
こんな目に遭わなければならないのだろう。
また、守れなかったとレンは自分を責める。
「レン!紗南さんを医師に預けて!」
「いやだ。…紗南…」
ソウシが医師たちを連れてくるが、レンは紗南を放そうとしない。