続♡プリンセス☆ロード
「恐らく、紗南を狙った犯行だ」
「…ええ」
あの場所に一番よく足を運ぶのは紗南だ。
レンを狙うには、もっと別の確実な所を狙うだろう。
「紗南ちゃん!」
焦ったような声。
医務室に入ってきたのは、ミナトだ。
ウィルの元から慌てて戻ってきたんだろう。
「ミナト…」
「紗南ちゃん!紗南ちゃん!どうして!」
今にも泣きだしそうな顔で紗南に駆け寄る。
縋り付くように紗南の顔を覗き込むと、息をしていることに少しホッとする。
しかし、包帯だらけの身体に胸を痛める。
「ミナトさん…。すいません…」
シオンは、一番隊の隊長であるミナトにも深く頭を下げた。
「いや…、ごめん。…俺の責任だよ」
「違います!俺が!俺が、任されていたのに…!」
シオンは悔しそうに唇をかむ。
任された仕事をやり遂げられなかった。
そのことが、悔やまれる。
「…あの場所には、紗南ちゃんが言い出して言ったんだよな?」
「え…、はい」
「お前が、切り出して行ったわけじゃないんだね?」
ミナトが、シオンを見据えていった。