続♡プリンセス☆ロード
トントン
ノックする音がして、視線が扉の方に向けられる。
「あの…」
顔を出したのは、ユキちゃんだ。
手には、小さな花束。
「王妃さまがお怪我を追われたと聞いて…お見舞いに…」
「…後にしろ」
レンが、冷たく言い放つ。
どうして使用人であるユキちゃんが、ここに来たのかわからないといった様子。
それもそうだ、無闇に使用人が王族に近づくことは禁じられているのだから。
近づいていいのは、一番隊の者か、本当に近しい者だけ。
「…申し訳ありません…、以前、王妃さまには助けていただいたことがありまして…」
「ユキちゃん…。ありがとう」
そうだ。
私が、友だちだよって言ったんだ。
「…レンさまが後でにしなさいと言っているんです。引き返しなさい」
ユキちゃんにそう告げたのはソウシだ。
「せめて、お花だけでも…」
でも、ユキちゃんはひかない。
こちらからは、ソウシの表情は見えない。
ユキちゃんの前に立ちはだかって、制止している。