続♡プリンセス☆ロード
私の目の前で、レンが刺された。
使用人であるユキちゃんに。
いったいこれは、現実なの?
「レン…いや…、レン!レン!!」
「紗南さま!落ち着いて!お体に障ります!」
思うように動かない身体を動かしてレンに手を伸ばそうとする。
体中が痛いのも忘れ、私はレンに近づこうとしていた。
それを止めたのはシオンだ。
私の身体を抑え、必死で叫ぶ。
その声は、私には届かない。
「やだ!レンッ!返事をしてぇ!」
「…はっ、…く…、紗南、大丈夫だ…」
「レン!」
レンが、身体を押さえながら起き上る。
荒い息をしてとても苦しそう。
「レン…!どうして、ユキちゃん!どうしてこんなこと!」
ミナトに取り押さえられているユキちゃんに叫ぶ。
ユキちゃんは、私の知っている優しい目をした彼女ではなくなっていた。
その瞳には憎しみに似た色を宿し、レンを睨みつけている。
「王なんて死ねばいい!お前らが、あたしの親を見殺しにしたんだ!」
どういうこと…?
見殺しになんて…。
頭の中が混乱して、息が苦しい。
私は、そのまま意識を手放してしまった…。