続♡プリンセス☆ロード
鼻につくいい薫りで目が覚めた。
目を開けても、そこは変わらず薄暗く、手を繋がれているのも変わっていない。
現実だ。
「ダメだよ、暴れたら。ケガだって治ってないんだから、死んじゃうよ?」
「……目的は…なに」
「前、教えてあげたでしょ」
「ウソ」
「本当だよ、君は覚えていないけどね」
からかうような口調にイライラする。
「教えてあげるよ。特別にね」
「…え?」
「復讐だよ」
「復讐って…私たちがなにをしたっていうの!?」
復讐されるようなこと、した覚えなんて…。
でも、そうか。
恨みなんて自分の知らないところで買っていることだってあるんだ。
「そうだね、なにも、していないよ」
「え…」
仁は、シレッとそう言った。
なにも、していない?
どういう意味…?
「君は、気づいてたんでしょう?最初君のナイトくんを傷付けた武器がなんなのか」
「え…」
その言葉に、仁を見上げる。
その表情は、なにを考えているのか読み取れない無表情だった。