続♡プリンセス☆ロード
元々、世話を焼いてもらうようなキャラでもない。
むしろいろいろと動きたいタイプだ。
だからこそ、王妃という立場はもどかしくなることもある。
「あ…」
ふと、廊下の壁から出ているランプの電球を替えようとしているであろう女の子を見かけた。
私よりも年下のように見えるその少女は、覚束ない足取りで脚立を運んできている。
私より背も低く小柄な彼女にはとても大変な仕事だろう。
他に誰かいなかったのかしら?
「ねえ」
「はい?…あ、王妃さま!」
突然声をかけてしまった私に驚いてバランスを崩す彼女。
私は慌ててその脚立を掴み、倒れないように支えた。
「あっ!も、申し訳ございません!王妃さま、お怪我は!?」
「大丈夫よ。それより、突然声をかけてごめんね」
「い、い、いえ!驚いてしまってすみません…」
何度も頭を下げる彼女に、私は肩を竦める。
ここまで恐縮されるとなんだか申し訳なくなる。
私がいくら、みんなと仲良くしたくても、皆からしたら私は王妃という立場で。
やっぱり、そう言う立場の人にフランクにしろと言ったところできっと無理な話だろう。
この世界に来た時、そのことで居場所がないと感じていたっけ。
それでも、私を同等のようにして接してくれていた一番隊のみんながいたから。
初めは私のわがままからだったけど…。