続♡プリンセス☆ロード
「私、あんた知ってる…。なんでかわかんないけど、ちょっと、どういう事か知ってるなら教えなさいよ!」
「貴様!仁!やっぱり、お前の仕業か!」
突然、ベッドに寝ていた黒髪の男の子が叫ぶ。
ちょっと、なに?
突然始まった争いに私一人ついていけない。
「あれ、王様。生きてたんだ。俺、すっかり死んだんだと思って、ウソ教えちゃったよ」
「なに?」
「そしたらさ、泣いて嘘だって喚くから、全部忘れさせてあげたの。全部ね、感謝してよ」
仁は、そう言って怪しく笑った。
あれ、この人がいい人じゃないの?
だって、私この人知ってた。
それなのに…?
「どう?大好きな彼女に忘れられて、敵だった俺に助けを求められている今の気持ちは?俺は、最高だけどね」
ククク、と喉を鳴らしながら笑う。
「さあ、今度こそ全部忘れるんだ」
耳元で、そう囁かれた私。
そのまま仁は私の身体をグイッと後ろに引っ張ると私の唇に何かを押し付けそのままテラスから投げ落とした。
「紗南!」
誰かが私を呼ぶ声を聞きながら、落ちていくのを感じていた。